スライドをアップロードするとき、SpeakerDeck を使う方が多いのではないかと思います。
私は pLaTeX + Beamer + dvipdfmx でスライドを作るときがあるのですが、これをキレイにアップロードしようとすると色々とハマりました。私が行った対処法を記事として残しておきます。
日本語フォントを埋め込む
日本語フォントを埋め込まない状態でアップロードすると漢字の見た目が変になってしまうので、これをなんとかします。
TeX Live に収録されている ptex-fontmaps パッケージには kanji-config-updmap コマンドが付属していて、これで日本語フォントの埋め込み設定を変更できます。
私が最初にこのコマンドを叩いたときは以下のようになり、埋め込みをしない設定になっていることがわかりました。
$ sudo kanji-config-updmap-sys --ja status CURRENT family for ja: noEmbed (variant: <empty>) Standby family : haranoaji Standby family : ipa Standby family : ipaex Standby family : noto-otc (AI0)
sudo kanji-config-updmap-sys --ja haranoaji
をしたあとに再度コマンドを叩くとこうなりました。haranoaji(原ノ味フォント)がセットされたことがわかります。
$ sudo kanji-config-updmap-sys --ja status CURRENT family for ja: haranoaji (variant: <empty>) Standby family : ipa Standby family : ipaex Standby family : noto-otc (AI0)
埋め込み設定をしない / した状態で SpeakerDeck にアップロードし、その見た目を比較したのがこちらです。漢字の見た目が異なるのが確認できます。
出力される PDF のサイズを大きくする
Beamer 製のスライドのサイズは、デフォルトでは横 128mm 縦 96mm であり、この状態のまま PDF 化してアップロードすると、無理やり拡大したようなボヤけた見た目になってしまいます。これをなんとかします。
TeX Live に含まれる PDFjam を使って、dvipdfmx によって PDF 化されたものをリサイズします。たとえば、横 512mm 縦 384mm にしたい場合は次のようにすればよいです。
$ pdfjam --papersize '{512mm,384mm}' 元のスライド.pdf -o リサイズ後.pdf
リサイズしない / した状態で SpeakerDeck にアップロードし、その見た目を比較したのがこちらです。リサイズせずにアップロードすると画像の劣化が特にひどいのですが、リサイズするとその問題が解消できます。
まとめ
理想通りにアップロードしようとすると骨が折れますね・・・
ちなみに私はこのようなシェルスクリプトを用意して作業してます。latexmk で書いても良さそうなんですが、pdfjam の部分がいい感じにできるのかよくわからない(pdfjam の部分も $dvipdf
内に書いたらいけるかも?)
# 日本語埋め込み設定はあらかじめやっておく platex slide platex slide dvipdfmx slide pdfjam --papersize '{512mm,384mm}' slide.pdf -o resized.pdf