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tsutaj 競技プログラミングの記録

ICPC 国内予選 2010 B: 迷図と命ず

あけましておめでとうございます。私はひたすら AOJ-ICPC を埋めています。

実装が面倒だなあこれ・・・と思ったのでほぼ自分用記事を書きます。

問題概要

原文 → Amazing Mazes | Aizu Online Judge

 H、横  W の迷路が与えられる。迷路の壁の情報が与えられるので、スタートからゴールまでの最短距離を求めよ。ゴールに辿りつけない迷路の場合は  0 を出力せよ。

解説

解法としてはもちろん幅優先探索なんですが、今回は迷路の「壁」が与えられるため少し面倒です。いつもの方針と少し違う配列を持つ必要があります。

board[i][j][k] := 座標(i, j) において方向 k に動けるか という bool 配列を用意します。これさえ用意できればあとは普通に探索するだけです。が、バグが怖いですね。

ソースコード

int dx[]={1, -1, 0, 0};
int dy[]={0, 0, 1, -1};

signed main() {
    int h, w;
    while(cin >> w >> h, h || w) {
        bool board[40][40][4];
        rep(i,0,h) rep(j,0,w) rep(k,0,4) board[i][j][k] = true;

        rep(i,0,h) board[i][0][3]   = false; // left
        rep(i,0,h) board[i][w-1][2] = false; // right
        rep(i,0,w) board[0][i][1]   = false; // up
        rep(i,0,w) board[h-1][i][0] = false; // down

        int inp;
        rep(i,0,2*h-1) {
            int l;
            if(i % 2 == 0) l = w-1;
            else l = w;
            rep(j,0,l) {
                cin >> inp;
                if(inp == 1) {
                    if(i % 2 == 0) {
                        board[i/2][j][2] = false;
                        board[i/2][j+1][3] = false;
                    }
                    else {
                        board[i/2][j][0] = false;
                        board[i/2+1][j][1] = false;
                    }
                }
            }
        }

        int dist[40][40];
        rep(i,0,h) rep(j,0,w) dist[i][j] = INF;
        dist[0][0] = 1;
        queue<pii> q;
        q.push(pii(0, 0));

        while(!q.empty()) {
            pii t = q.front(); q.pop();
            rep(i,0,4) {
                if(!board[t.fr][t.sc][i]) continue;
                int x = t.fr + dx[i];
                int y = t.sc + dy[i];
                if(dist[x][y] <= dist[t.fr][t.sc] + 1) continue;
                dist[x][y] = dist[t.fr][t.sc] + 1;
                q.push(pii(x, y));
            }
        }

        if(dist[h-1][w-1] == INF) cout << 0 << endl;
        else cout << dist[h-1][w-1] << endl;
    }
    return 0;
}

なんか壁与えられる問題他にもあった気がする。

ICPC アジア地区予選 2014 F: There is No Alternative

今年ももう終わりですね。

問題概要

原文 → http://judge.u-aizu.ac.jp/onlinejudge/contest/ICPCOOC2014/F.pdf

重み付き無向グラフ  G(V, E) が与えられる。 G最小全域木に必ず含まれる辺はいくつあるか? 重みの総和と共に出力せよ。

  •  3 \leqq V \leqq 500
  •  V-1 \leqq E \leqq min(50000, \frac{V(V-1)}{2})

解説

まず、普通に最小全域木を求めてしまいます。説明のため、ここで使われる辺の集合を  H最小全域木のコストを  c とします。

 H に含まれない辺は、最小全域木を構成する時に必要なかった辺ですので、「最小全域木に必ず含まれる辺」になりえないことは明らかです。以下、 H の各要素  e について考えます。

最小全域木に必ず含まれる辺  e というのは、言い換えれば「その辺  e がないと最小全域木が作れない」ということです。したがって、以下を試せばよいです。

  •  e 以外の辺で最小全域木をつくろうとしてみる
  • 最小全域木ができなければ (連結でなければ) 、その辺は「必ず含まれる辺」である
  • 最小全域木はできるが、そのコストが  c より大きければ、その辺は「必ず含まれる辺」である

 H の要素数は高々  |V| - 1 しかありませんので、各辺を無視した最小全域木計算のループは  |V| - 1 回です。

クラスカル法を用いれば、辺のソート  O(|E| \log |V|)、各辺を無視した最小全域木計算  O(|V| |E|) より、実行時間内に解くことができます。

ソースコード

プリム法、Union-Find木のソースコードは省略します。

signed main() {
    int n, m; cin >> n >> m;
    Graph(int) G(n);
    vector< Edge<int> > es;
    int s, d, c;
    rep(i,0,m) {
        cin >> s >> d >> c; s--; d--;
        G[s].pb(Edge<int>(s, d, c));
        G[d].pb(Edge<int>(d, s, c));
        es.pb(Edge<int>(d, s, c));
        es.pb(Edge<int>(s, d, c));
    }
    pii ans = pii(0, 0);
    pair< int, vector< Edge<int> > > v = prim(G);
    sort(es.begin(), es.end());
    int E = es.size();
    rep(i,0,v.sc.size()) {
        UnionFind uf(n);
        int res = 0;
        for(int j=0; j<E; j++) {
            Edge<int> e = es[j];
            if(e.to == v.sc[i].from && e.from == v.sc[i].to) continue;
            if(e.to == v.sc[i].to && e.from == v.sc[i].from) continue;
            if(!uf.same(e.from, e.to)) {
                uf.unite(e.from, e.to);
                res += e.cost;
            }
        }

        int par = -1;
        for(int j=0; j<n; j++) {
            if(par == -1) par = uf.find(j);
            else if(par != uf.find(j)) res = INT_MAX;
        }

        if(res > v.fr) {
            ans.fr++;
            ans.sc += v.sc[i].cost;
        }
    }
    printf("%lld %lld\n", ans.fr, ans.sc);
    return 0;
}

ただのライブラリ貼るだけ問題じゃないので、好きな問題です。この手の問題たくさん解けるようになりたいですね。

おそらくこれが今年最後の投稿になるでしょう。良いお年を。

CODE THANKS FESTIVAL 2014 B日程 G: 石取りゲーム

久しぶりに解説記事。またまたゲームの問題。

問題概要

原文 → G: 石取りゲーム - code thanks festival 2014 B日程 | AtCoder

 N個の石が積まれた山があり、 2人のプレイヤーが交互に石を何個か取っていき、最後の石を取ったプレイヤーが勝ちとなるゲームを行う。1手で取れる石の個数は、ゲーム開始時に先手が取るときは 1 〜 Pの範囲、それ以降は 1 〜 (前のプレイヤーが取った石の個数)  + 1の範囲である。 N, Pが与えられるので、両者が最善に行動した時の勝者を出力せよ。

解説

まず、solve(i, j)なる関数を考えます。これは、山に i 個石があり、1 〜 j 個の範囲で石が取れる時の勝者を bool 値で返します。

この問題で重要なことは、i と j が決まれば勝者が決まるということです。solve 関数同士の関係をみていきます。

  • 取れる石の個数の最大値が残りの個数以上である場合、全部取れるため必ず勝てる
  • 取れる個数を全て試して、その中でも一つでも false が返ってくれば勝てる
  • 全て試してもヒットしなければ、勝てるパターンが無いため負け

ということが言えます。2つ目の条件でなぜ false なのかというと、ここで参照しているのは前のターンの出来事であり、先攻と後攻の扱いが逆転しているからです。したがってもう少しシンプルに書くと

  • i <= j ならば true
  • i > j のとき、1から j の範囲まで solve を試し、どこか1つでも false ならば true
  • false が1回も返ってこなければ false

と判定できます。もちろん、メモ化が必須です。

ソースコード

int n, p;
int dp[510][510];

// 勝敗判定
bool solve(int rest, int range) {
    // メモ化 (すでに書いてあったらそれを返す)
    int &res = dp[rest][range];
    if(res != -1) return res;

    // range が rest を覆えるならば勝てる
    if(rest <= range) return res = true;

    bool ok = false;
    // 以下は range が rest を覆えない時の話
    // 範囲の中に一つでも false
    // (つまり前のターンで後手必勝) があるなら true
    // 取る石は 1 個以上 range 以下
    repq(i,1,range) {
        // 石は i 個なくなり、範囲は i+1 になる
        if(!solve(rest-i, i+1)) ok = true;
    }
    return res = ok;
}

signed main() {
    cin >> n >> p;
    memset(dp, -1, sizeof(dp));
    bool ok = solve(n, p);
    cout << (ok ? "first" : "second") << endl;
    return 0;
}

前にこのブログで紹介したゲームの問題の中にも、同じ方針で解けそうなものがありますね。ゲームの問題も奥が深いですね。

※追記: 前に紹介した問題たちは制約が大きいのでそもそもメモ化できないですね。同じような問題ですがこの解法は使えないです。難しいなあ・・・